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3.10 10 万人のことば
ダンス|鈴木一琥 音声構成|カワチキララ

2013年 3月10日(日
14:00
18:00
満席/受付終了
受付中

入場:前売 3,000円 当日 3,200円(1ドリンク付)
定員 各回30名/要予約


【作品概要】
1945年3月10日未明、東京を襲った空襲によって、まちは炎上、壊滅した。
10万人以上と言われる一晩の空襲での死者の多くは老人、女性、こども。戦闘員とはおよそかけはなれた人々だった。

68年前の「あの日」に失われた「ことば」をサウンドコラージュとダンスによって作品化する取り組みは、ダンサー・鈴木一琥(すずきいっこ)とアーティスト・カワチキララによるものです。
インタビューを重ね、カワチが編集した生存者の証言は、戦時下における人々のささやかにあたたかい日常と、そのすべてを焼き尽くした恐怖の夜を描き出します。
密室の板の間に30名限定の観客、体が触れるほどのわずかなスペースで踊る鈴木の肉体が纏うものは、その夜永遠に失われた「ことば」、そして68年の苦しみを生き抜いて来た人々の現在の「ことば」です。
会場となるのは江戸末期の浅草に建てられた土蔵を再生したアートスペース、ギャラリー・エフ。厚さ30cmの土壁が猛火から建物を守り、焦土にぽつんと立つ姿は空襲の記録写真にも残されています。
時と空間、そして表現の力によって現在に引き寄せられる「3月10日」を追体験する45分間です。

 




今プロジェクトは、その60年後にあたる2005年に空襲を生き延びた蔵・
ギャラリーエフにて始まった。
毎年インタビューを重ね、その証言者のことばをもとに
作品の再構成・再構築を試みてきた。

この試みは、戦争や空襲を安易に代弁する行為では、決してない。
むしろ、証言者のことばの一つ一つに介在する家族への思いと、
それでも生きてゆくことを選んだ覚悟とを肉体化する作業こそ
ダンスなのではないか、という一つの問いかけである。

戦後68年間、東京の空から降るものは雨だけになった。
しかし、世界のあちこちで人々の頭上に爆弾は降り続けている。

東京大空襲は、日本人が世界に発信すべき何かを、
世界の人々と共有すべき何かを、私たちに教えてくれる。

text by:鈴木一琥

 

企画制作/主催:鈴木一琥、カワチキララ 制作/共催:ギャラリー・エフ
照明:テトラロジックスタジオ 音響操作:加藤淳一 衣装:柳原志帆
写真:ダイトウノウケン
協力:東京大空襲・戦災資料センター
証言:田口智子、藤井正昭、長瀬静子、高橋千恵子、辻博也、進藤貞子、橋本代志子、二瓶治代、亀谷敏子、葉山美佐子、小野芳子(インタビュー順、敬称略)

チラシ画像 >>

 

鈴木一琥(すずきいっこ ダンサー):
1972年、東京生まれ。立命館大学在学中の演劇活動から、卒業後はダンス表現に向かう。日本の伝統芸能・神楽を学び、舞踊の根源を探求している。これまでに伝統・現代を問わずアジア・ヨーロッパ・オセアニア各地で公演やワークショップを行う。2011年9月東京都立第五福竜丸展示館にて「龍の声〜Voices of Dragon」を発表。2013年、フランスにてヒップホップダンサーとの共同作品制作のため滞在、2月に最初のバージョンを発表。

カワチキララ(アーティスト):
1971年、千葉生まれ。94年、米・メリーランド美術学院油絵科卒業。2003年、9.11と反戦をテーマとした「Crane Project 〜つるがおるもの〜」にて「第5回ロレアル色と科学の芸術賞」大賞を最年少で受賞。国立科学博物館で講義を行うなど、科学と美術の融合、歴史・反戦・進化などをキーワードに映像を使うインスタレーションからドローイングまで、多岐にわたるアート作品を制作している。

ギャラリー・エフ:
江戸時代末の慶応4年(1868)に建てられた浅草・雷門の土蔵を再生し、1997年にアートスペースとしてオープン。関東大震災、東京大空襲、そして戦後の都市再開発を耐え抜いた建物を保存・活用しながら、国内外のアーティストの展覧会や演奏会などを開催している。1998年有形登録文化財登録。

 

 

東京大空襲から1週間後の浅草。松屋デパートの屋上から撮影された焼け野原の風景。 隅田川に架かる手前が吾妻橋、奥が駒形橋、江戸通りをはさんで中央、円で囲んである建物がギャラリー・エフの土蔵。
『東京空襲を記録する会』より寄贈

同じ位置より2006年に撮影

過去の公演より

2012.3.10
2011.3.10
2010.3.10
2009.3.10
2008.3.10
2007.3.10
2006.3.10
2005.3.10