2006年、西嶋は針金による造形作品を発表した。記号化した自身の顔を針金でかたちにしたものをつなぎあわせ、空間構成を行った。かたちにしやすく、そして存在感の強すぎない素材。それが、針金だった。細い針金は、空間のなかに存在としてかたちを構成しながらも、質量で観る者を圧倒することはない。空間に溶け込んだ針金は、観る者の意識によって存在を現し、そして消す。彫刻の素材として針金を意識したとき、西嶋はコンクリートと訣別した。 |
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2008 年7月に開催する展覧会『存在の気配』で、西嶋はこれまで自身が追求してきた「見えないかたち」の新たなる表現を提示する。
interview & text | Takeshi Yamaguchi (Gallery ef) |