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7月4日(金)〜21日(月/祝)

西嶋雄志
『存在の気配』
彫刻

オープニング・レセプション|ヴィオラ演奏・金子なお/公開制作

ex-chamber museum レビュー >>

 西嶋雄志は、彫刻という「かたち」のあるものを制作しながら、その奥にある構造や成り立ち、そして作品とそれを取り巻くものとの関係性を表現することに意識を傾けている。使用する素材も、自身の彫刻観への理解が深まるにつれて、鉄、コンクリート、針金と変化してきた。
 木や石とは対極にあるニュートラルな質感を可能としたコンクリートでは人体の制作に取り組み、人間の精神性を繊細に表現した。観る人の意識によって存在感が変化する針金では、自身の顔を記号化したかたちをつなぎ合わせて空間構成を行った。そして、作品と観客にとって等価値なものを交換するという展覧会を企画し、作品を通じて生まれた人と人の関係性を、彫刻作品そのものとして位置づけた。
 7月4日から始まる展覧会では、「存在の気配」をタイトルに、これまで思考を重ねてきた彫刻の存在感と作家を取り巻く関係性をテーマにした展示を行う。無数の銅線コイルをつなぎ合わせ、自身の写しをかたどっていく作品が展示の核となる。
 江戸時代末に建てられた土蔵のアートスペース、ギャラリー・エフに、西嶋雄志が探してきた「存在の気配」が浮かび上がる。

TEXT|西嶋雄志の作品制作について >>

 


 

西嶋雄志プロフィール

1969年、神奈川県横浜市で生まれる。1989年、東京芸術大学美術学部彫刻科に入学。 1995年東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。1997年には「コンクリートアートミュージアム展」で入賞を果たす。2002年より作品発表を本格的に開始し、ほぼ毎年にわたり個展を開催する。2007年には、アメリカ・ニューメキシコ州の美術大学が実施するプロジェクトに参加し、作品の原型を同大学に送り、現地の学生たちが制作、展示するという試みも行った 。