あなたの作品、とりわけミッキーマウスの顔をつけた動物たちの作品では、何かを批判しているような態度も見受けられます。もし、この点が正しければ、あなたは何を批判しようとしているのでしょうか?
私は別に政治的な人間というわけではありません。自分なりには何が正しくて、何が間違っているかという考えはあります。しかし、いつもはこういった考えをとても静かに表現しています。
ミッキーマウスの頭は、「仮面をつけたい」という私たちの欲望に関係していると思います。作品に付ける顔(実に馬鹿馬鹿しいものなのですが)や帽子は、私たちの集団への帰属に関連しています。世界にあるすべての宗教団体について考えてみましょう。彼らはみな、自分たちだけの同じ帽子を被り、他の人々とは違うことを示します。でも、その団体の中では、同じ神を信じるという点で同じなのです。
FORGOTTEN, 2007
Disneyfication, 2002
私たちは自分たちのことを振り返ることを忘れがちです。時として、私たちは自分自身を、文字通り、何かの型にはめ込んでしまう。明らかに居心地の悪い型に。
もちろん、これは、大衆文化が世界に広がっていることにも関連しています。その点について言えば、世界のディズニー化、もしくはハロー・キティ化が進んでいる。しかし、私は、これが必要悪なのか、それとも良いことなのか、強く主張するつもりはありません。ただそうなっているだけです。
文化は変化し、言語も変化する。場所での変化もあれば、時代的な変化もある。しかし結局のところ、世界中のすべての人は基本的には同じです。私には、人間が洗練されているとも思えないし、16世紀の人々と比べて進化したとも思えない。私たちは単に、別の時代に、急速なコミュニケーションと高速回転する時代に生きているだけなのです。 |