エリザベス・コップフのオリンピック聖火ポスタープロジェクト

より高く、より早く、より強く。この属性は、オリンピックの理念の中心となっているだけでなく、国際化社会の発展においての条件にもなっています。競い合うという性質は、成長、発展、成功という概念を支配していきます。生きるために殺し合わなくてもすむ時代にあってなお、経済、政治、科学、そしてスポーツにおいて、さらには宗教においても、人間は他を征服しようとします。
競い争うためだけではなく、「参加することに意義がある」のもオリンピックのテーマ。それは選手、コーチ、審判、応援団のみならず、デザイナーにとっても同じことです!

オリンピック精神を表すポスターをデザインするにあたり、私たちはポスターを実際に行なわれるオリンピック・アクションの一部として参加させたい。伝達するだけのポスターではなく、開会式でスタジアムに運び込まれる聖火のように、公共の場へとオリンピックの精神を運ぶ、行動するポスターを。
5つの輪を描いた白紙のポスター(ポスターの裏紙でよいです)を貼ります。オリンピックを表すには、5つの輪だけで十分です。北京2008とさえ書かなくても、世界中の人が知っています。開会式と同時に、その紙を剥がし、丸めて、端に火をつけます。空に向かってかかげます。再び紙を広げます。そして再び壁に貼ります。それぞれのポスターには火が描いた様々な模様ができています。これらのアクションを通して、聖火に象徴される真のオリンピック理念が街へと伝達され、熟考と議論をうながします。

 

まずは中国からのお客さまにコンセプトを説明し、参加を了承していただきました。用意したのはトーキョー・アイディアルのポスター。(右列はプロジェクトのプレゼンシートより)
裏に5つの輪を描きます
 
ポスターを丸めて火をつけます
 
風が強く、なかなか火がつかないので手伝ってもらいます
 
コート紙なので燃えにくく、みんながライターを持ち寄ります
この聖火ポスタープロジェクトは、実際に北京での開会式に会場の外で実行され、平和の理念を街に届けます。
今はまだ開会式ではないから、みんなで力を合わせて火をつけようとしたことだけでも十分意味のあるアクションです。

聖火ポスターを
空に向かってかかげよう

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