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ふるさと、奄美に帰る
東京編〜菊池恵楓園金陽会絵画クラブ作品展〜
会期|2019 年 10月17日(木)〜11月3日(日)
入場無料|12:00〜18:00|火曜日定休
※会期中ギャラリートークも予定しています。詳細はページ下部をご覧ください。
《日向ぼっこ》大山清長 1996年 油彩、キャンバス 45.5x53.0p |
《家族》奥井喜美直 1991年 油彩、キャンバス 72.7x60.6cm |
《九十九島》森繁美 2002年 油彩、キャンバス 60.6x72.7cm |
ご挨拶
私たちが生きる社会には、様々な問題が山積しています。ハンセン病問題もその一つ。
ハンセン病という病気になった、ハンセン病とみなされた、ただそれだけで、人から嫌われ、子を産み育てることを禁じられ、生涯ハンセン病療養所から出ることを許されなかった。病気になった本人も、家族も、社会から排除された。今年6月28日に熊本地裁で勝訴した「ハンセン病家族訴訟」でも、多くの家族の方が壮絶な人生を語り、ハンセン病問題の実態が明らかになりました。 ある女性と出会うまで私は、「社会から排除されて辛い人生を強いられている人たちに、自分が出来ることはなんだろう」と考えていました。しかしその考えは抽象的で観念的なものです。そのため行動に移すこともなく、行き詰まりました。自分が何か出来ることをしたいというのは、自分の気休めでしかない。ただただ、おこがましいだけ。 彼女と出会った時その魅力に心を奪われ、「こんなに素敵な人がなぜ苦しまなければならなかったのか。この人を苦しめたものは、いったい何なのか」という思いがあふれました。その思いは、行き詰まった私を行動へと駆り立ててくれたのです。「私に何が出来るのか」ではなく、「何故そんなことが起きたのか」。これを考えることが、私が継続してきた学習会の軸になるものです。 この絵画展でみなさんに感じていただきたいこと。それは、絵を通して作者と出会い、作者の人生に触れ、何故、と問うてほしいのです。私たちが生きる社会のシステムの中に、差別を生みだしているものはないでしょうか?誰かを守ると言って支配したり、排除したりしているものはないでしょうか?「先入観」や「思い込み」を破り、越えて、問う。その為の目を、私たちは養っていかなくてはなりません。 最後になりましたが、この絵画展の開催にご協力いただきました多くのみなさん、ありがとうございました。絵画展をきっかけに、沢山の方がハンセン病問題に関心を持ってくださることを願っています。思いよ、とどけ・・・!
ハンセン病問題から学ぶ集い主催者 渡邉怜子
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