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リチャード・バイヤーズ
うちそとうち
映像/写真

会期|201311月1日(金)〜24日(日)

12:00〜20:00|火曜休|入場無料


オーストラリア出身のニューメディア・アーティスト、リチャード・バイヤーズによる映像空間展。

私たちを取り巻く世界と内なる感覚との共鳴を生み出すものとして「光」を扱うバイヤーズの作品は、写真、映像、インタラクティブな光のインスタレーション、パフォーマンスなど、多岐に渡ります。本展では、会場である建築物そのものを作品のモチーフに、タイムラプス(微速度撮影)による映像、立体、写真、ドローイングなどで空間を構成します。
舞台となるのは戊辰戦争の火花散る慶応四(1868)年八月に浅草の地に建てられ、関東大震災(1923年9月)、東京大空襲(1945年3月)と、周辺を焼き尽くした二度の猛火に耐えた土づくりの蔵です。
もとより母屋の中から出入りする内蔵(うちぐら)として建てられたため、正面を含む四方をビルに囲まれ、その全貌を見ることはできません。建物内部では、江戸の文化と生活様式を反映し、耐火・耐震・防犯の機能を備えた頑強な構造体を目にすることができます。アートスペースとして再生されてからは、現代の様々なインスピレーションやメッセージを交感する場へと変化していきました。
遮断された「外側」と、受容する「内側」。人物や社会の核心を理解しようとするとき私たちが辿る「外から内へ」のアプローチが、ここでは逆転しています。バイヤーズはその在り様に焦点を当て、「外」が宿す「内」と「内」に宿る「外」を視覚化することで、新たな姿を浮かび上がらせます。それは私たち自身の内側へ、同時に全体へと目を向け、識ろうとする作業でもあります。

ビルの谷間に沈んでは浮かぶ、見えざる光景。145年の歳月を刻んだ建物の、ある一日と、ある永遠を描きます。

[リチャード・バイヤーズ] http://richardbyers.tk/

1974年豪州メルボルン生まれ。ライト・アーティスト、デザイナー、プログラマー、フォトグラファー。近年は欧州、日本、豪州の各地を拠点とする。豪州の工業デザイン・コンサルタント企業でクリエイティブ・ディレクターを務めた後、フリーのアーティストとして写真、インタラクティブなライト・インスタレーション、パフォーマンス、ニューメディアアートを手掛け、ミュージシャン、ダンサー、アーティスト、建築家とのコラボレーションも多い。
2012年にのべ5ヶ月を宮城県石巻市で過ごし、アートプロジェクトを展開。津波で半壊した旧石巻ハリストス正教会に映像作品を投影したほか、石巻の日常の光に寄り添った写真とスケッチの作品群は2012年10〜11月『石巻 SUNLIGHT』@ギャラリー・エフ、2013年1月『ISHINOMAKI SUNLIGHT in Sydney』@Gaffa(シドニー)、2013年4〜5月『光とつくる』@日和アートセンター(石巻)へと巡回した。

 

[会場|ギャラリー・エフ 浅草]
所在地:東京都台東区雷門 2-19-18
江戸時代末の慶応4年(1868)、江戸の商業地として栄えた浅草雷門に建てられた土蔵を再生したアートスペース。国内外のアーティストたちの展覧会を開催する他、音楽、伝統芸能、パフォーマンス、講演会など、幅広い表現の場として活用されている。カフェ/バーを併設して1997年にオープン。1998年文化庁登録有形文化財に登録。

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