アーティスト山田秀寿が、4年ぶりとなる展覧会『Home Made』を開催します。
1991年よりアーティストとしての活動を開始した山田は1999年から4年半、ロンドンのイーストエンドを拠点としました。
躍動的な描線がポジティブな心象風景をまとい、独特の浮遊感と奥行きを持つ山田の世界観は、ロンドンのクリエイターたちに高く評価され、ファッションブランドやデザイナーたちとのボーダーレスな創作を可能にする足場を作りました。
2003年に帰国後、初の展覧会となった『breath』（2006年／ギャラリー・エフ）では、自身の生まれ育った東京下町の風景をスケッチし、ささやかで愛おしいものたちがひしめく日常の空気感を、大型の透明フィルムのコラージュ約30点に描き出しました。
以降もインターナショナルな創作展開を続ける山田が、自身の現在地と世界との関係性を探るプロセスの中で選択したキーワードは「Home」。会場となるのは、江戸時代から浅草に建つ土蔵を再生したアートスペース、ギャラリー・エフです。
『breath』で「街」に向けられた視点をさらに凝縮し、スペースが固有に持つ要素や環境を作品と呼応させながら、現代の日常生活から失われつつあるたいせつなものたちを、一つの背景、一つの価値観からより明確に見つめます。
存在を宿し、外界へ旅立たせる場所としての「ホーム」。リアルとイメージをひとつの呼吸に紡ぐ山田のクリエイションが、世界へと向けている視点に触れていただく展覧会です。
多数の新作と過去の代表作品からのセレクション約80点の絵画作品で空間を構成します。

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The crow on the girl
acrylic, medium on canvas
730 × 606 mm 2007

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2006 年 Gallery éf で開催された展示 'Breath' 以降は徳島市、福岡市にて作品展を開催しました。
制作の継続と共に引き続き国内外のクリエイター、ブランドとのプロジェクトにも積極的に参加し、特に海外との交流に力を入れて来ました。
その過程で起こった世界的な経済危機、急速に進むグローバル化、既得権益の崩壊、個々人から発信される可能性、世界中が目まぐるしくぶつかり、繋がる現在において自分の制作活動がどのような役割があるのか大きく問われる 期間でもありました。
2010年秋 Gallery éf で開催される 'Home Made' は現在の創作の指針にもなります。

–––––　山田秀寿