1999.12.22 - 2000.1.16
金大偉+Gallery ef
Millennium Garden
映像インスタレーション
企画/プロデュース●ギャラリー・エフ
協賛●Millennium
Garden sponsors(個人協賛)
1999年から2000年へ。
新しい千年紀のイメージを映像作家の金大偉とともに表現。
個人協賛によって実現した2000本のバラによる退廃のローズガーデン、生命の誕生を表現した球体、アンドロジナスを表現したCG作品など、複合的な作品で2000年紀への想いを表現した。
flyer design:
ben graphique
去りゆく千年期を表現した2000本のローズガーデン。
1.26 - 30
ギャラリー・エフ・プロデュース
豆腐屋四代目・熊谷靖之
豆腐屋の個展
豆腐
豆腐は白い。豆腐は四角い。そんな固定概念を吹き飛ばせ。
豆腐の角に頭をぶつけて死ねるかもしれない。
豆腐屋の四代目自ら畑で栽培した四色の大豆を使い、
今までに例のない[TOFU]を創作する。
---豆腐屋四代目・熊谷靖之
岐阜県恵那郡山岡町、山奥の豆腐屋「豆腐殻(おから)屋」の若旦那。従来の豆腐づくりにも真摯に取り組み情熱を傾ける一方で大豆本来の色を使った全く新しい豆腐づくりなど、アートの側面から豆腐屋としての自分をアピールしたい、
という彼の挑戦をギャラリー・エフがバックアップ。素材を利用して新しいものを創造し、世の中に表現するという点においては豆腐屋さんもまたアーティスト。あくまでも豆腐は岐阜まで買いに来てほしい、と頑固な一面も持つ野望をもった豆腐屋さんである。
●同時開催イベント●
講談・神田北陽『徂徠豆腐』(1月29日)
展示風景
[上]1F/豆腐インスタレーション TOFU graphic: ben graphique
[下]2F/毎日の豆腐作りに使用している道具たち
豆腐アーティスト 熊谷靖之 www.okaraya.com
豆腐殻屋
〒509-7603 岐阜県恵那郡山岡町上手向 573
tel 0573-56-2554
●コラボレーション展示●
山脇隆充『豆腐殺人事件』/カフェにて
photo: Takamitsu Yamawaki/ print: ART Ariake
3.9 - 10
若智 大暉・特別イベント
融解座敷雷門
パフォーマンス
アーティスト若智大暉によるイベント。
豚の血の中にパチンコ玉を埋め込み凍らせた立方体を座敷(ギャラリー2階)の中央に置き、溶けてゆく様子を鑑賞する。15cmの立方体は約4時間で融解した。
血に対する恐怖感は、いつからどうやって私たちに埋め込まれたのだろう。
その概念を壊すために若智大暉は血のキューブを創り続けてきた。
血にまみれて怪しげに光るパチンコ玉は、思いも寄らぬ道筋をたどりながら白い布に新たな概念を染み込ませた。 |
3.15 - 26
張 少俊
後花園物語〜The Story in Back Garden
絵画/写真
中国の文化人たちは「後花園」をこよなく愛した。
後花園とは家屋の奥にある裏庭のこと。
後花園には許されざる恋があり、喜びと哀しみがあり、生と死があった。
文化人たちは自らの喜怒哀楽を詩に詠み、文字に綴り、音楽によって奏で、水墨画によって表現した。
後花園は文化人たちの「生」の場所であるとともに、芸術の源泉だった。
張少俊は長い間、後楽園に秘められた物語に想いを馳せてきた。
そして異国の地である東京・浅草の江戸時代に建てられた土蔵に後花園を見た。
今回の展示で張はCG・写真・水墨画といった現代に生きる表現手法で、いにしえの想いを再現する。
張少俊は言う。「訪れた人々が後花園の主人公になる」
ギャラリー・エフ3周年企画展
4.14 - 5.21
曽田 耕
RLRL ニューショップ・オープン
靴
logo design: ben
graphique
オリジナルブランド "KO Shoes" を展開してきた靴デザイナーの曽田耕が今春 ニューブランド "RLRL" を設立します。
ブランドの誕生と同時に、直営ショップ "RLRL"を東京・浅草に期間限定オープン。
ショップ内のギャラリースペースで
は "RLRL" を象徴するコンセプトシューズ5点を公開します。天然ゴムとけやきのショートブーツ(写真)など曽田耕がこれまであたためてきた新しいタイプのコンセプトシューズが登場します。
"RLRL" は、靴の概念に挑戦し、靴の新しい可能性を探っていきます。
●オープニング・イベント●
Video Fashion Show RLRL
4月14日(金)15日(土)
CG●
Hidehiro Satoh (Millennium Laboratory)
グラスビジョン協賛●富士通サポート&サービス株式会社
●展示風景●
カフェ/RLRLの持つパンキッシュなテイストを表現したビジュアル展開。
collaboration
art work: ben graphique
print: ART Ariake
(左)展示風景/1F(右)展示風景/2F
新ブランドのイメージ・コンセプトシューズ5点を展示
「ニューショップ・オープン」をコンセプトに、内装を可能な限り改装。
漆喰の壁や木の天井は全て白い板で覆われ、壁一面に鏡を立ち上げ、くつろげるソファも製作、設置。
予約制でデザイナーが足のサイズを計り、革の色の組み合わせも自由に選べる。 |
5.31 -
6.18
越中谷紅美
ANSWER27, COSMOS
インスタレーション
浅草に残る江戸時代に建てられた土蔵。インスタレーション作家・越中谷紅美は、この空間に足を踏み入れたとき、「ただ存在する原風景」に思いを馳せた。
地球上に存在するすべてのものは人間のために存在しているのではなく「ただ存在している」のだ。 人間は「美しいユートピア」を実現するために、過去に遡る努力を積み重ね、未来への道を切り開いているのかもしれない。だが人間は果たして、自分たちが望むユートピアに存在できるのだろうか。
人間が存在していない風景。越中谷紅美は、悲観的な印象ではなく美しいイメージとしてこの原風景を捉え、インスタレーションを創出する。
7.12 -
23
藤野あや子
藤野図鑑〜菊と生物画展
イラストレーション
「菊」は人間の果てしない追求により、その姿を変化させてきた。交配と改良により新しい品種を生み出す試みは、1500年前に中国で始まり、今日も
続いている。 なぜ人々は、それほどまでに菊に魅了されるのか?イラストレーターの藤野あや子は、菊を描くことでその答えを探す。 「厚物」「厚走り」「管物」といった大菊を主なモチーフとして、菊の織りなす精
巧美を表現。大型の作品を制作し、彼女がライフワークとする「図鑑」をテーマに展示演出を行なった。 菊を中心とした未発表の生物画により、オリジナルの「図鑑空間」を創出。
8.5 - 27
●現代アート国際交流プロジェクト ●
Kindergarten
〜子供の中の芸術性と現代アートのつながり "WORKSHOP"
produced
by●
Roger McDonald
アーティストたちが夏休みの幼稚園を「場所」としてとらえ、その場で自由に表現を行ない、その成果をいくつかの会場で展開。これが「Kindergarten」のメインテーマ。日本とイギリスのアーティスト、約15名が参加。墨田幼稚園でのワークショップと展示、墨田生涯学習センターでのインスタレーション、そしてギャラリー・エフではワークショップで制作した作品を使ってのインスタレーション展示が行われた。
子どもをテーマに、幼稚園、公共施設、ギャラリーが連携してアート展示を行ったイベント。
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展示風景●2F/杉島郁子による木の椅子
9.1 - 6
■Mixed Media Art Communications
Festival in TOKYO 2000@Gallery ef ■
ソニア・ロバートソン
"Bruissement des feuilles"木々のざわめき
河本雅史
インスタレーション
時代の流れに敏感に反応しながら、メッセージを発信するパフォーマンスアート。
「MMAC Festival 2000 in Tokyo」は、 国際的に活躍するアーティストたちがそれぞれの表現を東京という街で共有することで、パフォーマンスアートの方向性を探っていく試みです。
今年はカナディアン・ネイティブやイタリアのアーティストたちが参加。ダンスや音楽・演劇・映像・美術といった様々なメディアをクロスオーバーさせながらパフォーマンスアートの「今」を問います。パフォーマンスアートの問題を議論し、メッセージを発し、積極的にコミュニケーションしていく場、それが「MMACフェスティバル2000
東京」です。ギャラリー・エフもこのプロジェクトに参加、河本雅史とソニア・ロバートソンがインスタレーションおよびパフォーマンスを行ないました。
ソニア・ロバートソン Sonia
Robertson
"Bruissement des feuilles" 〜木々のざわめき
ソニア・ロバートソンはMashteuiatshに在住するイヌ族のアーティスト。彼女は"situ"にまつわるインスターレーションを創出している。"situ"とは、屋内であれ屋外であれ、場所の独自性を活かし、ネイティブアメリカンの精神性や造形物を導き出すことである。黄色や赤、白、黒といった伝統的な色と方向性、そしてビーズや動物の皮を素材として用いる。また、音楽や写真、光を組み合わせ、微細で繊細なミクストメディア的なインスタレーションを創出する。
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中央に吊られているのは精霊と交信するための儀式に使われるもので、鷹の羽・鷲の羽・ガチョウの羽・馬の毛・ソニアの毛でできています。人々とこの場所に聖なるエネルギーを与えます。また、この場所でクリエイティブな作業を行うソニア自身にもエネルギーを与えます。その下に置かれているのはイヌ族の象徴である動物・ヤマアラシの針です。 |
ビーズの色は4つの方位を象徴しています。東=黄/西=黒/南=赤/北=白方位の4色は人間の肌の色をも表し、人種や肌の色を超えて繋がる循環を意味しています。ポラロイドの上に数粒と、天井から吊した絹に縫いつけられています。布には彼女の撮った写真が投影されています。1階から天井を見上げると2階との美しい調和が見られます。パフォーマンスではここからドライアイスが流れ落ちました。
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河本雅史
「この世のしくみに興味があります。イメージするのは長大な『循環螺旋』です。現在を無意識に通過し、どんなにもがき抵抗しようが、やがてふと我に返ると自分の背中を見ているのです。
〜河本雅史 2000年5月〜
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9.9 -
24
山脇隆充
EXPOSURE ヤマワキタカミツ vol.3 「はいかい」
写真
いわれのない閉塞感に包まれた街、「トウキョウ」。大量に生み出される喪失感と、消費されていく刹那な癒し。トウキョウは何処にある?
当たり前の風景があふれ、埋没し見えないままの「東京」で、山脇隆充は誰も立ち止まらない風景を切り撮る。アイデンティティを失ったこの街で出逢った存在感。ファインダーの中に彼女がいた。コンビニ的な猥雑さを口いっぱいに詰め込んで、センチな心象風景とこの街のどこかにあるはずのリアリティを求めて、ふたりはトウキョウを「はいかい」する。
山脇隆充、初の本格的な個展、「はいかい」。
9.29 -
10.9
ROGMA6
精霊召喚会
CG
大いなる森、深遠なる闇を失った現代世界。時代や環境が
大きく変化しながらも「精霊」は存在する。
住処を変え、 自らのかたちを変えながらも存在し続ける精霊たちをROGMA6は、現代のデジタル的な手法で具現化。
普段は人目に触れることのない20人の精霊たちを約40点のCG作 品でその生態を明らかにするとともに動作シーンの撮影に成功したものたちはビデオで紹介。
10.14
- 22
00企画室
とぶことば〜秋の蔵から詩の川が流れる
ポエトリー・リーディング
時代は言葉を求めている。テレビ、ラジオ、雑誌、本、インターネット・・。言葉は絶え間なくメディアの
なかを流通している。だが、広く浅く流通する言葉は、出来事を単純化し、分類する。そして、レッテルの 貼られた言葉は、またたくまに消費されていく。
詩という言葉は、その対極にある。詩人というフィルターを通過した個人的な出来事は、個人的な言葉に置き換えられていく。一見、殻に閉じこもっているよな個人的な言葉は、出会うべき他者に出会ったとき、深い共感を呼び、本物の言葉として伝わっていく。そのプロセスを経て、詩は、開かれた存在となり、力強いコミュニケーションを生み出す。
今回の展示では17人の詩人が参加し、朗読、展示、野外イベントといった複合的な要素で詩がどのように発生し、そしてコミュニケーションしていくか、そのプロセスを表現する。
9.25 -
11.16
THE VEHICLE
TOKYORAMA Extra Exhibition
インスタレーション(カフェ2階・ショップスペースにて)
この展示は『家電収納表層家具しらかばシリーズ』を用いてひとつの生活の場面をジオラマ的に構成しているものです。しかしながらこのシチュエーションは、日本人にとってけして現実的で典型的なスタイルとは言えません。これは西洋とも東洋、ましてや日本とも言えない、私たちが様々な事象によって抽出した擬似的な生活空間なのです。私たちにとって身近な場所である生活空間は、光学的記憶装置が登場して以来、そのイメージの反復と蓄積によってステレオタイプ的な視覚的記憶として形成されてきました。ここに展示している『家電収納表層家具しらかば』たちは、それらの映画・ドラマ的なイメージを3次元の物質に還元し視覚的記憶と触覚的記憶を交換可能にする装置なのです。
text by THE VEHICL
TOKYORAMA:
THE VEHICLE
10.28
- 11.19
森脇環帆
両性具有の薬
球体関節人形
11.23
- 12.25
村山修二郎
ART×日本スタイル
インスタレーション
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酸性雨から守る
災害から守る
細菌から守る
事故から守る
社会から守る
犯罪から守る
いじめから守る
近所から守る
紫外線から守る
ウイルスから守る
過労から守る
自分を守る
あなたは「お守り」で何を守りますか? |
人間には外敵から自らを守る防衛本能がある。外敵から自らを守っていくことで人間は生きてゆくことができる。人間は時として自分の外に、その守り神を求める。日本の社会で身を守るための象徴として最も身近な存在である「お守り」。しかし、現代社会では、お守りに敬意を払ったり、願い事をすることはなく、一年に一度取り替える「行事」の対象になってしまっている。だが、それこそが日本の曖昧さの伝統と曖昧な現代社会を象徴しているのではないだろうか。
村山修二郎は、意義あるものが単なるモノになってしまったとき、そこに芸術性と人間性を感じる。そしてARTは日常の現象を非日常的な価値に変換する装置であると考える。そこに伝統的な日本のスタイルをぶつけることで生かされる、強度なARTを追求する。今回のテーマは『ART×日本スタイル』。
お守りをモチーフにした作品群とインスタレーションで、現代社会への問題提起を静かに行う。
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事故、事件、病気、公害、ストレス・・。私たちのまわりには、私たちを脅かす災難がたくさんあります。人間にはそういった「災難」から身を守る防衛本能があります。
そして多くの人々は宗教的な守り神を身近に置くことで災難を回避し、身を守ろうとします。
海外では、人形など、より具体的なかたちをしているものを身の回りに置いて、身を守ろうとします。日本には「お守り」があります。これは神道や仏教の寺院で買えるもので、見た目には小さな布袋(ぬのぶくろ)です。
布袋のなかには、願いをこめたお札が入っています。
お守りだけではなく、日本では昔から大切なものを布で包んできました。代表的な願いは「家内安全」「学業成就」「交通安全」「安産」などです。お守りがその願いをかなえてくれると
人々は信じるのです。
日本人は、そのお守りを携帯します。そう、日本人にとっては携帯することに意味があるのです。つねに携帯することで、お守りが災難から身を守ってくれるのです。
しかし、現代の日本では、お守りの本来の意味は薄れています。年に一度、多くの人々は初詣のときに取り替えること自体が目的となってしまい、御利益があると感じるのは、せいぜい新しいお守りを手に入れたときぐらいでしょう。
お守りの存在を確認できる機会自体が減り、まさに「取り替える」べきファッションになってしまっているのです。その現象は、日本人の価値観が希薄になり、日本という存在が失われていくことを案ずる象徴であるかのようです。
そうはいっても、テレビを通して、オリンピックに出場したスポーツ選手がユニフォームにお守りを縫いつけていたり、高校野球でピンチになった学校の応援団がお守りを握りしめ祈っているのを見たとき、私たちはそれを自然な光景として見ます。
ファッションになり、頼る機会が減ったとしても、日本人が必要としており、また可能性も充分に秘めているのだと私は思うのです。
あなたは「お守り」で何を守りますか?
text
: 村山 修二郎
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